1魂 友達

4/23
前へ
/323ページ
次へ
電車に揺られて、私は、高校に向かう、 二駅程越えて、徒歩30分程度で、高校が見えてきた。 「ん?どうしたんだろう…あの子」 高校のすぐ近くの道で、一人の少女が、きょろきょろとあたりを見回し、困った表情を浮かべている。 茶髪で、カールのかかった髪、背丈はやや小さいが、おそらく歳はそんなに離れていない 彼女の来ている制服は、私と同じ高校の制服だ。 これが、私と、彼女の最初の出会いだった。 「どうしたの?こんなところで」 私が尋ねると、少女は、私の制服姿を見て気付いたようで、半分泣き顔で答えた。 「今日転校してきたんですけど……あまりここらへんしらないので……あの……」 私は確信した。 まよっちゃったんですね、高校は、ここから目と鼻の先なんだけど 「うちの高校、遅刻に煩いから走るよ」 遅刻は、避けたかったので、それだけ言うと、走り出した。 少女は、えぇと小さくうめいたが、なんとか私の後をついてきた。
/323ページ

最初のコメントを投稿しよう!

79人が本棚に入れています
本棚に追加