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電車に揺られて、私は、高校に向かう、
二駅程越えて、徒歩30分程度で、高校が見えてきた。
「ん?どうしたんだろう…あの子」
高校のすぐ近くの道で、一人の少女が、きょろきょろとあたりを見回し、困った表情を浮かべている。
茶髪で、カールのかかった髪、背丈はやや小さいが、おそらく歳はそんなに離れていない
彼女の来ている制服は、私と同じ高校の制服だ。
これが、私と、彼女の最初の出会いだった。
「どうしたの?こんなところで」
私が尋ねると、少女は、私の制服姿を見て気付いたようで、半分泣き顔で答えた。
「今日転校してきたんですけど……あまりここらへんしらないので……あの……」
私は確信した。
まよっちゃったんですね、高校は、ここから目と鼻の先なんだけど
「うちの高校、遅刻に煩いから走るよ」
遅刻は、避けたかったので、それだけ言うと、走り出した。
少女は、えぇと小さくうめいたが、なんとか私の後をついてきた。
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