海歌

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「優しいか……違うね……臆病なだけだ!弱い自分に何が守れる!」 「綺麗事なんかうんざりだ……ゆず……君ならわかってくれると思ったのにな」 彼の表情は、止まってしまったモノクロの空間の中でひきつり、憎しみを露にしていた。 「……違う!確かに世の中に何度も失望させられたけど……でも倖がいてくれたから頑張ってこれた!それなのに……」 私は蒼き剣の柄を強く握った。 「……ごめんなさい、貴方を幻魔から奪い返すわ」 私は、剣を振り上げ走り出した。 彼は、とっさに下がり大鎌で斬撃をうけとめる。 「ははは……世の中は君を捨てたんだよ!それなのになぜ!そんな世の中をかばう」 彼が大鎌を振り上げ、勢い良く降り下ろす。 当然素早く下がってかわすと、剣を突きつけた。 ガキィィン 鋭い金属音と共に、蒼き剣は宙を舞い、モノクロの海へと落ちた。
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