79人が本棚に入れています
本棚に追加
「優しいか……違うね……臆病なだけだ!弱い自分に何が守れる!」
「綺麗事なんかうんざりだ……ゆず……君ならわかってくれると思ったのにな」
彼の表情は、止まってしまったモノクロの空間の中でひきつり、憎しみを露にしていた。
「……違う!確かに世の中に何度も失望させられたけど……でも倖がいてくれたから頑張ってこれた!それなのに……」
私は蒼き剣の柄を強く握った。
「……ごめんなさい、貴方を幻魔から奪い返すわ」
私は、剣を振り上げ走り出した。
彼は、とっさに下がり大鎌で斬撃をうけとめる。
「ははは……世の中は君を捨てたんだよ!それなのになぜ!そんな世の中をかばう」
彼が大鎌を振り上げ、勢い良く降り下ろす。
当然素早く下がってかわすと、剣を突きつけた。
ガキィィン
鋭い金属音と共に、蒼き剣は宙を舞い、モノクロの海へと落ちた。
最初のコメントを投稿しよう!