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「ゆず!どうして……わかってくれないんだ……君だって散々苦しめられたろう?まわりの腐った奴らに……そしてこの世の中に……」
彼は、残念そうに顔をしかめるが、直ぐ様険しい顔をしてそういい放った。
私は、その一言を聞いて数々の恥辱を思い出した。
プロデューサーのご機嫌をとるために 好きでも無い男と寝たり、接待と称してわいせつな行為をされたり……
何度死のうと思ったか……今も右腕の手首に残るためらい傷がそれを示す。
「そ、それでも……」
私は、胸が苦しくなり涙をこらえながら体を震わせ言った。
「その思いは全て今も傷として残ってる……」
「だけど!!……だからって人の命を軽々と奪っちゃいけない」
私も涙ぐんだ顔で必死に彼に訴えかけた。
「いつか、思っていたんだ……こんな世の中はかえなきゃならないと……でも力がなかった」
「でも今は違う!……」幻魔が力をくれた」
力がある……もうこの世の中は手遅れなんだよ」
彼は哀しげな顔で声を荒げて、言うと大鎌を構え直した。
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