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鎌が舞う、俺はそれを当然よける。
だいぶ透けてきた体が、俺の役目の終わりを案じる。
「たった一発でいい!受けやがれ命を燃やした必殺の拳!!」
俺の背後でケルベロスが咆哮し、ナックルが紅い輝きを放つ。
大きく前につきだした拳から放たれた紅蓮の炎が砂浜を焼き進む。
「ぐぁぁあぁ!」
黒いコートは激しく燃え上がり、奴はたまらず海へ飛び込んだ。
光と共に、俺の視界がぼやけた。
「後はまかせたぜ……幻魔を倒してくれよ」
俺は静かに目を閉じた。
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