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厚い防音仕様のドアを開けると、すぐに先ほど電話を掛けてきたブライアン・スペーターがジャックのもとへ走ってきた。
「もう、どこに行ってたんですか! 大ニュースですよ。中東のハルツァーム共和国で独裁軍事政権が倒れました!」
ブライアンは間をおかずに言った。
「いつ連絡が入ったんだい?」
「ついさっきです。局長が外にふらっと出てからすぐに、ドバイ支局から電話があったんですよ」
「それはすまなかったなぁ。それで、現地の状況はどうなんだ?」
ジャックは国際政治上の重大な転換点を前に、すぐに仕事の顔に戻った。
「ええ、現地時間の昨晩にハルツァーム全土で一斉に直属軍が、反抗を起こしたのは承知してますよね。それで、それが今朝になって市民にも広がって、一気に首都が制圧されたんです。まだ、現地の状況はよくわかってないんですが……」
ブライアンが説明した。
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