ショートケーキ

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「またケーキ食べてるの?」 わたしの大好物はおっきな苺の乗ったショートケーキ。 ついつい帰り道に買ってきてしまう。 「そんなに毎日食べてると太るわよ」 「平気だもーん」 こんなやりとりは高校に入学して行動範囲が広くなったときからずっとつづいている。 いわれないと逆に不安になるほどだ。 そして食べ終わってから眠りにつく。 そして次の日。 私はいつものように、、、寝坊した。 「もう!何で起こしてくれなかったの!?」 「もうすぐ社会人なんだから自分で起きなさい!」 これもいつも通り。 しかし口論している余裕など無く、とにかく急いでパンを口にくわえて玄関から慌てて飛び出した。 「ひっへひはぁふ!」 まるで漫画みたいだ。 なんとか遅刻せずにすんだが、走った反動で朝なのにとても疲れている。 正直息が上がりっぱなし。 でもこれが日常茶飯事。 やっと一限目が終わって机に突っ伏していると隣の席の友達が話しかけて来た。 「ねぇ、香水つけてる?」 「え?全然?」 「なんか物凄く甘い香りがしてるよ?」 「甘い、、、香り?」 そういって腕の匂いを嗅ぐと、確かに甘い香りがする。 この匂いは、ショートケーキだ。 「え、ヤダ。なんでショートケーキの匂いがするのょ」 「香水つけたんじゃないの?」 「違うわよ、私そんなのつけないもの」 「じゃああれよ、ケーキばっかり食べてるからその匂いが移ったのよ、、、ちょっと腕貸して!」 そういって友達が私の腕を掴んでまじまじと見つめた後、一口ペロリ。 「ちょ、ちょっと何すんのよ!」 「あ、、、」 「あ?」 「甘ぁぁぁぁあい!」 「え、えぇぇぇー!そんな訳無いじゃない!」 「疑うなら自分でやってみなさいよ」 それもそうだと私もペロリ。 「甘、、、」 「ね?本当でしょ?」
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