2人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
「ねぇねぇ、そういえば聞いた?「ハンマー男」の話!」
「はい?ハンマー男?」
キョトンとした私に、恭子は満面の笑みで喋りだした
「そうなのよ、ハンマー男よハンマー男!何でもハンマーを持ちながら普通に歩いてて、何かそこら辺を壊し回ってるって言う狂暴な男の噂!」
「…そんな変な男が21世紀の今の日本のドコにいるっていうのよ💧」
恭子は普段は明るい可愛らしい女の子なのに、こういう変な話とか噂が大好きで一度話のネタを手に入れれば、人が変わった様に爛々とそれを喋り続けるのがたまに傷だと、私は思っている
「いやね、なんかソイツ自分で『俺はこの国の人間じゃねー!』って叫びながら今も逃走してるらしいのよ。」
「そ、そうなんだ…」
まだまだ長くなりそうな話の雰囲気に、私は早々にその場を切り上げる事にした
「あ!もうすぐ予鈴だよ?急がなくちゃ!」
「え、嘘!?アンズ、ダッシュよダッシュ!!」
話を切り上げ、私達は学校へと急いだ
…あの時は、まさかこの話が後々私の身にも関わってくるなんて、考えもしていなかった
教室に入った私達は、それぞれの席へ向かった
(今日は久々に何もしてない…調子いいなぁ♪)
…そう、こんな風に油断していたのが間違いだった
私のアレは、そんな隙を見逃さなかった
椅子に座ろうと腰を落とした瞬間だった
《メキッ…》
嫌な音がして
《バキッ!》
それは破壊の叫びに変わった
「きゃっ!!い、痛たた…あ!?」
私の椅子が、見事に壊れていた
ウチの学校では、木の机と椅子を使っている
だから結構壊れやすいのだが…問題は、私の場合コレで壊した椅子が15個目だと言う事だ
「や…やっちゃった…💧」
そして、そこから連鎖の様にコレは続いた。
起き上がろうとすると、壊れた椅子の破片にジャージが引っ掛かり、お尻の部分の布が裂けた
「き、きききキャァァァァァアアア!!!!??」
パニックになった私は、更に椅子が壊れた時に持っていて、床に落としていた鞄の上に腰餅をついてしまい、
《ペキッ》
嫌な鞄の中の叫びを聞いてしまった…
「あ!あああーっ!!?」
最初のコメントを投稿しよう!