傷付けられた腕

乱される心

　小学校の頃、私に８歳下の弟ができた。最初は喜んだ。初めての弟だから。
　姉という立場上世話もした。とても可愛らしかった。初めだけは――。

　私は段々と弟が憎らしく思えてきた。そして一度弟の首に手を掛けた事がある。
　たが、やはり弟なだけに感情が入り、する事は当然できなかった。
　それからと言うもの、申し訳なさが先立ち、あまり彼を泣かせたくない。そう思うようになった。
　今でも彼が泣くと対処に困り、オロオロするばかりだ。

　それは小学２年の頃の話。