第1章 悪夢といざない

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「大丈夫だよ。ゲームなんだから…そんな悪い事は起きるはずが無いだろ。」 なだめようと心弥が優しい顔で露草を諭す。 「………でさ、憂貴達も一緒にやらないか?」 「うん。是非、一緒に」 ~放課後~ 学校の授業も終わり、部活に顔を出す。 僕は一応、弓道部所属だけど、一人暮らしの為か家事(洗濯物を畳む事以外)と裁縫も得意だから、家庭科部からも手伝いによく呼ばれる。 今日は学校の事情で、部活は基本的に無しとなっており、顔出しだけをするので、このみも付いてきている。 恥ずかしくて、あまり言いたくなかったけど、家と七瀬家も隣同士だ………。 部室の前に部員が既にある程度集まっている。 「おっ!?来た来た。お~い、憂貴~~」 同じ弓道部の 長峰 泰孝<ながみねやすたか> が声をかけてくる。 「ちわッス!ヤス」 「えへへ。こんにちは!」 何故か、このみまで挨拶に入る。 「おっと!?青春だね~憂貴は(黒笑)」 「はっ!? Σ(//△//)ばっ、馬鹿!!このみとはそんなんじゃないって!!」 「ふ~ん…………」 泰孝はこのみをチラ見しながら疑わしそうな目でこちらを見てくる。 「このみとは兄妹みたいなものだから!!(//□//)💦」 「ふ~ん……まぁいいや。ところで、憂貴もモバゲーやってたよな?」 「えっ!?うん、やってるよ」 この時勢に………もしかして………… 「モバゲーサバイバルやらないか?」 ………やっぱり…………… 「うん、やるよ。 もう情報がクラスで回ってるから。」 「じゃあさ、友希して良いか?ゲーム内で友希したプレイヤーは他と区別出来るらしいんだよ!」 「へぇ~。勿論、OKだよ!」 やがて、部活のメンバーが全員揃ったとこで、出席とミーティングを行って、すぐに解散した。 (かなりの視線がこのみに向いたのは、言うまでもない事かもしれない) 「えへへ。憂君人気者だったね。」 帰路でこのみが嬉しそうに言う。 《むしろ、注目されてたのはこのみだし………その後みんなからは咎めるような視線にさらされたんだけどなぁ……》 おもいっきり、溜め息をつく。 「あれっ?何だか元気無いね??」 《誰のせいだか……》 ……などとは口には出せない(汗)。 口に出せば、たちまちこのみは泣き出してしまう。 「何でもないよ……」 微笑みながらこのみに言う。 やがて、家の前に着き、このみと別れる。
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