2章シンユウ

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5年くらい前、私には親友がいた。        学校を行くのも一緒、ご飯を食べるのも一緒、服の好み一緒、趣味も一緒、好みも一緒、 何もかも一緒だった・・・       毎日、私は親友と遊んだ。親友以外には友達がいなかった。楽しかった。こんな毎日が一生続けばいいと思った。けれど、ある時親友は言った。「私達、いつでも一緒よね?」 その言葉を聞いたとき、私の中の何かが騒ついた気がした。それを気にせず、いや、気のせいと思い、私は言った。「えぇ、いつでも一緒よ」親友はほっとしていた。それからも楽しい毎日が続いていった。さっきのような問掛けが何回も続いて気が付くと1年が過ぎていた。親友とは相変わらずいつでも一緒だった。 けれど私は親友と一緒にいすぎた。私の中の何かが動いてしまった。いや、私の中の何かではなく、私自身だったのかもしれない・・・ その夜、私は親友を殺した。 ナイフで。心臓をひとつき。 証拠は・・・ない。
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