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疲れた
帰りたい
帰る場所はないが
ずっと野宿だ
たまに廃屋を見つけたらそこで休むが
いつ魔物が来るかわからないからゆっくり休めない
仲間が欲しい
やっぱりいらない
他人は恐い
一人が楽だ
そろそろ村だ
魔王の城から離れているから敵が弱く感じる
もっとも寝込みを一撃で殺しているから実際のところ大きな違いはない
こちらとて攻撃をくらえば一撃昇天は変わらないだろう
敵に見つからないように動くのは神経をすり減らす
胃が痛い
帰りたい
まだ1/144HGガンダ○が作りかけだった
録画したままのDVDが何本もたまっている
持ってくれば良かった
もう処分されただろうか
次の瞬間現実に戻された
早そうなモンスターだ
確実に見付けられた
マズイ
逃げれるか?
無理だ
奴はこちらに狙いをつけて走ってきている
迎え撃つか?
無理だ
僕の防御力は紙同然
なんという縛りプレイ
僕は諦め
歯を食い縛り
目を瞑った
…襲ってこない?
恐る恐る目を開く
虎のようなモンスターは
頭から矢を生やして息絶えている
なぜ?
辺りを見回すと
鎧の男達が立っている
一人は弓を構えていた
どうやら助けられたらしい
男達が近寄ってくる
男
「大丈夫か?
危ないところだったな
見たところかなり強い装備みたいだけどステータスが低いようだな」
知っている
モンスターとガチで戦う力はない
僕は小さな声で礼を告げるとその場を離れようとした
男
「おいおい
一番近い村までしばらくあるぞ?
また襲われるかも知れない
俺達が送ってやる」
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