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僕は目眩がしそうだった
いきなりこんな大勢に囲まれてしまうなんて想像していなかった
悪い人たちではなさそうだし助けられたのは事実だが震えが止まらない
まぁ村までの付き合いだ
そう割り切って彼らの善意に甘えることにした
彼らはモンスターを見つけるとわざわざ倒しに行く
経験値稼ぎと金稼ぎ
アイテム探しに大忙しだ
武器は僕のより弱い武器を使っている
傭兵部隊は金がかかるからなかなか武器を買い替えられないようだ
寄り道した割りには早く村についた
やはり馬は便利だ
村には宿がないらしく僕は彼らのキャンプに付き合うことになった
話を聞くと彼らは戦争に行く為にレベルを上げていたらしい
こんな危険な所に来ないとレベルがあがらないとは…
かなりの強者なのだな
僕は自分の事を何も語らなかった
食事をいただくとスグ眠くなった
久々に安心できる睡眠だ
…朝になり僕は呆然とした
装備がない
金もない
傭兵団はもちろんいない
やられた…!
怒りが込み上げる
申し訳程度に残されたナイフが余計に腹立たしい
この村で生きろといいたいのだろうか?
ふざけるな
こんな村に仕事があるものか
あったとしてもするものか
社会の歯車にはなりたくない
僕は一人で生きていきたいんだ
頼れる人がいないのだからそうするしかない
我ながら成長したと思う
自立心だ
いやいやいや
現実を見ろ
悦に浸ってる場合じゃない
ナイフ一本で何ができる?敵は倒せない
倒せなければ金が入らない
金がなければ死んでしまう
しかしどうする事もできない
僕は村人の誰かに寄生する事にした
成長したと言ったが
スマンありゃ嘘だ
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