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席に戻ったと同時に授業開始のチャイムが鳴り、聖楓の周りの女子らは慌てて自分の席に着いた。
鳴り終わる直前に数学の担当の女教師が教室に入り、教卓の上に持ってきた教材道具を置き、教壇に立った。
「起立、礼……着席」
廊下側の列の最前列にいる代表委員の男子が号令をかけ、授業が始まった。
「えーとっ、授業に入る前に…聖楓さん」
教師は持ってきた名簿から転校生の名を探し、教室を見渡す。
聖楓は返事をして立ち上がった。
「私が数学の担当の浜崎です。授業でわからないことがあったら、遠慮せずに聞いて下さい」
聖楓は
「あ、はい」
と言って椅子に座った。
その後、授業は二年生の時の最後の授業の続きから始まった。
授業中、教師は聖楓の学力を知るためか、聖楓に多く質問した。
質問の中には難しいのもあったが、聖楓はそれを全て正しく答えた。
どうやらアメリカから転校してきたのは伊達ではなかった。
帰国子女は頭脳明晰ってイメージが俺にはあったから、そう思った。
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