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颯太の笑顔を見ると俺の調子が狂う。
そんな時はきまって、俺は話題をすり替える。
「確かに先生が遅刻なんて珍しいな。何かあったのか?」
俺がそう言うと、颯太が耳打ちしてきた。
「さっき職員室で耳に入ったんだけど、今日から転校生が来るらしいんだ」
「あっそ」
俺はそれだけ言って、視線を左に逸らした。
そして隣には昨日まで無かったはずの机が置かれていた。
「気にならないの?」
「何故気になる?」
質問に質問で返される。
颯太が一番戸惑う返答だ。
長年付き合って分かった颯太の弱点の一つだ。
それにしても隣は誰だったか。
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