桜の木の下で…

転校生

颯太は俺の予想通り戸惑った顔をする。

｢え～っと…ほら！ 転校生はどんな人かな？ とか、男の子かな？ 女の子かな？とか、女の子だったら可愛いのかな？とか、いろいろ気になる要素はあるだろ？｣

｢持つと必ず裏切られるのが期待だ。それに勝手に期待を抱かれた転校生の身になって考えてみろ。快いものじゃないだろ？｣

颯太は
｢確かに｣
とやや大袈裟に頷いた。

そして朝のHRを五分過ぎた時、廊下側の教室の扉が開き、担任の教師が教壇に立った。

隣に真新しい制服に身を包んだ、やや茶髪の髪を背まで垂らした女の子を連れて。