転校生

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転校生が女の子。 しかも可愛いとなれば、クラスの男子のテンションは滑車を廻るかのように上昇する。 教師が黒板に白いチョークで、彼女の名前らしきものを書き始めた。 黒板に書かれた名前は聖楓。 不思議と俺はその名に聞き覚えがあった。 親しみを感じるわけではないが、とても身近な感じがする。 「今学期からこの学校に転校してきた、聖楓だ。彼女は両親の都合でアメリカの高校から転校してきた」 「皆さん、どうぞ宜しく」 教師の無愛想で低い声とは対称的に、聖楓の声は愛らしく、僅かに幼さが残っていた。 それがさらに男子のテンションを上昇させていた。
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