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天才軍師
軍師捜しの旅に出た氷室一行は金山へと向かった。最近この金山から巧妙に金を盗む山賊がいるという。
氷室は金の護衛も兼ねて金山に立ち寄った。
だが一向に人が現れる気配がない。人は来るとすれば金を城に運ぶ輸送隊ぐらいであった。
『氷室様もうここを出ましょう💦このようなところに軍師なるものなどおりませぬ。』
付き人が氷室を急かすが氷室は一向に金山を出ようとしない。
そんな口論をしていると金山の輸送庫から悲鳴が聞こえた。
氷室達は急いで悲鳴のもとへ向かった。
『どうした❗⁉』
氷室が輸送隊に問い掛けた。
『金が‥‥‥金が盗まれましたぁ💦』
輸送庫を見てみると確かに大量の金が無くなっていた。
だがおかしい、頻繁に輸送隊が出入りしていたにも関わらず一瞬にして大量の金を運び出すなど不可能だ。
そんな事を考えてると氷室は人の気配を感じた。『誰だ❗❗』
氷室は気配のする方向に小刀を投げた。
そして気配がした方へ行ってみるとそこには氷室が投げた小刀が服に深く刺さり身動きの取れなくなっている若い女がいた。
15~16齢位の娘だ。
『お前、今度の事件に関わっておるようだな❗⁉』
氷室が問い掛けた。
『だったらなんだ❗⁉殺すならとっとと殺せ❗⁉。』
娘は殺気だっていた。
『その娘に手を出すのはやめて頂こう。俺の大事な仲間なのでな。』
外の方から声がした。
『お主‥‥‥何者じゃ⁉』
氷室が話かけると男は襲い掛かってきた。
『我が名は明池満勝❗貴殿の首を戴く。』
そういうと男は怒涛の斬撃を浴びせる。
だが氷室は皆朱の槍で明池を振り飛ばす。
そして刀を跳ね飛ばし明池の喉元に切っ先を突き付けた。
『こたびの所業‥‥お主らの仕業だな⁉』
氷室は問い掛けた。
『そうだ。これまでの事は全て我らがやった。‥‥‥償いとして俺の首とこれまで盗んだ金は返す、だがその娘だけは助けてくれ。』
明池の潔い言葉に氷室は切っ先を遠ざけた。
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