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第三次川中島決戦
明池らを召し抱えてからはや二年の月日が流れていた。
氷室達は度々戦に赴き、武功を立て、褒美の金で兵2000を雇い、今や氷室の部隊は上杉にとって重要な攻撃部隊となった。
だが、戦と言っても武田家と講和によって激しい戦いが減り、氷室の部隊はまだ実力を出しきれてなかった。
そんな平凡な朝の中に氷室達はいた。
『殿、朝餉でございます。』
お里が朝食を氷室と明池に運んできた。
元々お里は忍の流れを汲む者らしく、体も細くしなやかで、家庭の事から暗殺までこなせた。
そんな腕を見込んで明池はお里と一緒にいたらしい。
今となっては氷室の身の回りを世話する女官であり、忍でもある。
『おぉ❗飯か❗いい匂いじゃあ~😃お里はなんでも出来るなぁ✨それになにより綺麗だ。』
氷室はお里の働きに敬意を評した。
『そ‥‥‥そんな😍からかわないでください。』
お里は顔を真っ赤にしながら氷室の肩を叩いた。
だが元々忍の修練を積み、特に体術に通じたお里に叩かれてらたまったもんじゃない❗
案の定、氷室は吹っ飛んだ。
『と‥‥殿❗❗も‥申し訳ありません❗❗こたびの不始末は私の命で償います。』
お里は仕込んでおいた刀を自分の喉元に当てた。
『馬鹿💦馬鹿💦止さぬか❗❗この位で俺が怒るわけなかろう💦アハハハハ。』
焦りながら氷室はなんとかお里を落ち着かせた。
お里は忍の修練を受けていたにも関わらず無邪気に泣いたり怒ったり笑ったりするのはどうやら精神の修練はまだ未習得だったからだ。つまり身体能力は化け物級だが、心は純真な女の子なのである。
些か問題はあるもののこのような平穏な日常が二年も続いた事は幸せであっただろう。
だが、その平穏は一つの報せによって破られた。
氷室の元に伝令が現れた。
『戦でございます。武田との戦にございまする。』
氷室は耳を疑った。
『馬鹿な❗武田とは和睦しておるではないか❗それがなぜ❗⁉』
氷室は伝令に問い質す。
『武田は講和を破り、我らの北信の勢力圏を切り崩し、それにお怒りになった謙信公は善光寺に進軍致されました。』
伝令の言葉は依然信じられなかったが、戦が始まった以上その事は事実。氷室は急いで戦支度をし、兵を率い謙信の軍勢との合流を試みた。
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