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敗戦の傷
戦から帰ると氷室は屋敷に閉じこもった。
『殿‥。』
明池やお里の声にも耳を傾けようとしない。
今回の敗戦が余程無念なのだろう。
お里は強引に戸を開き、氷室の元に駆け寄った。
『殿❗こんな事でくじけてはなりません。』
お里は必死に励ます。
『じゃが‥‥3000もの手勢を率い、善戦していながら大殿の役に立てんとは‥‥。』
どうやら氷室のショックは相当のようだ。
『殿。武田がこのまま引き下がるとお思いですか❗⁉武田はまた必ず攻め入ってきましょう。その時こそ我ら氷室部隊の力で甲斐の虎を懲らしめてやりましょう。』
純粋なお里の言葉で氷室は元気を取り戻した。
『そうだ❗その時こそ必ず甲斐の虎をうちとってくれよう❗そして大殿より褒美を貰うんじゃ✨そうしたらお前達にもたんと褒美をくれてたらんとな❗』
氷室は笑顔で話す。
『はい❗その時は期待しています。』
お里は笑顔で答えた。
こうして氷室は部隊を編入を施し、屈強かつ計略に優れた部隊を作り上げるのであった。
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