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なんと、残り少ない足軽を再動員し、敵の中央深くまで決死の攻撃を仕掛けたのだ。単純に考えればそんな事をして生きていられるわけがない。だが現状は違った。
なんと100にも満たない小隊に武田の大群が薙ぎ倒されていく。武田の兵士は僅かとはいえ優勢な状況に油断していた。いままで少しでも武田方に戦況が傾いた戦は勝ってきたのだから今回も勝てるとふんで勝ち戦の気分でいたのだ。
勝ち戦にある者は絶対に死にたくないと思うものだ。何故なら死んでしまったら折角の勝利を味わう事が出来ない。だから命を惜しむ。命を惜しむ者が死を恐れず猛進する氷室の部隊に勝てるわけがない。武田の軍は総崩れを起こした。
だがそれでも武田軍は戦況を跳ね返し必死に上杉軍との戦いを繰り広げた。しかし両軍は疲弊し撤退を開始した。
だがこの激戦すらもこれから始まる超決戦の序曲でしかなかった。
なにはともあれ氷室達の懸命な働きによって上杉家は窮地を脱っしたのであった。
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