宿敵との講和

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信玄との講和がなされ、氷室も謙信とともに越後に帰った。 そして自分の屋敷に帰ると部屋にこもって考え事をしていた。 その様子を不思議に思った足軽が氷室に話しかけた。 『氷室様。一体何を考えておられるのです⁉』 氷室は足軽を見つめた。 『俺は足軽大将として上杉謙信公に仕え皆朱の槍まで頂いたというのに今回の戦では殿のお役に立てなかった。』 氷室は今回の戦いでの己の無力さを悔やんでいたのだ。 『恐れながら、そんな事はございません。そもそも今回の川中島での合戦は小競り合いこそありましたが両軍が激突することはなかったのです。そんな戦でどうやって武功をあげろと言うのですか。』 足軽が必死に氷室の言葉を否定した。 『いや‥‥俺が武勇だけでなく兵法に通じておればあの状況を打破出来たかもしれん。』 氷室は落ち込みながらぼそぼそと話した。 しかしいきなりバッと立ち上がって思いたったようにいった。 『そうじゃ❗軍師じゃ❗俺の家来に軍師を雇えばいいんじゃ❗殿にも勝るとも劣らぬ天才軍師を捜すんじゃ❗』 そういうと氷室は早速支度をし、何人かのお供を引き連れ軍師捜しの旅に出かけた。
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