交換

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悲鳴のような私の声は、夢とは違い夕子と萩本に聞こえたのか二人は私を見た。 (私、このままはいや!!) 「その願い、叶えてあげる」 その言葉とともに、黒い塊は私の中へと溶けるように入っていった――― 「夜子!」 「桂木?!」 夕子と萩本くんの二人は急いで私のもとに駆け寄ってくると、私は光を映さない黒い眼差しで夕子を見た。 「夕子…お願いがあるの」 「な、なに?」 夕子が私じゃないものを見るように、目を丸くして見つめている。 「私ね、夕子と交換したいの」 クスクスと笑って、夕子の腕を掴んだ。 「痛い!夜子、離して!」 夕子が痛みに声をあげる。 私は、その声が甘美に感じた。 「桂木!離してやれよ!!」 その声に引きずり戻されるように、私はハッと意識を取り戻した。 「ご、ごめん!」 「待てよ!」 「夜子!」 いたたまれず私はその場から逃げるように走り出した。
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