交換

12/34
前へ
/148ページ
次へ
家に入って、私はまず台所へと行った。 引き出しを開けると、そこには手入れされている包丁が目に入る。 笑みを浮かべて一番大きい包丁を持つと、私はゆっくりと二階にある自分と夕子の部屋に行こうとした。 包丁に、自分の顔が綺麗に映る。 クスクス…アハは、ゆうこ…ゆうこ… 部屋の扉を開けると夕子はまだ帰っていなかった。 少し安堵した。 きっと、このままじゃいけないのはわかってる。 だけど…もう決意したから。 私は変わる。 でも、もう少しこのままでいたい。 矛盾してる。 結んでいた髪をほどくと昨日までの自分になった。 髪をといだ。 黒い髪を愛しく感じて
/148ページ

最初のコメントを投稿しよう!

120人が本棚に入れています
本棚に追加