オルゴールの音

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「あぁ、でもどうしましょう…」 凉子は焦っているようだった。 「あの……お父様は……」 「コノヒトガコロシタノ…」 ショーンは私の問いに答えたつもりだったのだろうが、その言葉は凉子へと激しく突き刺さった。 「あ…あぁっ…寿々子…これには……」 「見ていたわ…ずっと……」 私の言葉だった。 過去を見て、彼からも聞いた。 「お母様、お父様のもとに一緒にいてあげて…」 私はそっと凉子さんの手を握った。 「後は私に任せて」 凉子は涙を流して消えていった――― 「ショーン…貴方はどうしたいの?」 私は彼をゆっくりと見た。
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