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「ワタシハ…」
ショーンは答えに行き詰まっていた。
彼はもういない悲しみ。
愛しい人達を殺めた苦しみ。
消えることも赦されない。
「モウ…キエタイ…」
彼の瞳から涙が零れた。
「ワタシハ…ズット、ズットタクサンノヒトコロシタ…」
「ユルサレナイ……」
ショーンの中にも葛藤があった。
もう死んでいる自分。
きっとこの屋敷から出ようとは思わなかったのだろう。
「私も…きっと誰も貴方のことは赦せないと思う。でも眠ることまで咎めないと思うわ」
そう、彼の罪は赦されない。
だけど………
「貴方がこれ以上誰かを殺める理由はないわ」
それは確かな気持ちだった。
「だからショーン…貴方の亡骸のところに連れて行って」
私はオルゴールを握りしめていた。
ショーンは頷くと部屋を出ていき、先程立ち止まった扉の前に立っていた。
また、辛そうな表情をして―――
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