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さて、問題はどうやって元に戻るか………
「歌音くん………」
一人の少年が心配だった。
「あの子なら大丈夫」
声にビクッとした。
その声のする方を見ると彼がいた。この家の長男。
「ありがとう。父や母や彼の気持ちを繋いでくれて。僕はそれが気掛かりだった。突然家を出た妹、皆死んでしまった家族…ただ、一人を覗いて」
「え………?」
彼は地下の出口に指を指した。
「あの子の元へと行ってくれるかな。あの子だけは守りたい。僕はもう行かなければならない。家族のもとへ…」
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