オルゴールの音

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歌音くんは驚いていた。 私は外へ繋がる扉へと足を進めた。 「お姉さん!僕は、僕は……出られないんだよ!!」 泣きそうな声だった。 きっと怖いのだろう……出られないという彼の今まで一人でいた時間が、彼に恐怖を与えていた。 「大丈夫。一緒にいこう」 とびきりの笑顔でそう言った。 ドアノブに手をかけた。 カチャリ…と、軽いドアの開く音。 目映い光に包まれて、私達はこの屋敷を出た―――― end.
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