😱ホラー小説😱

交換

「あのままだったら、彼は彼女のもの。クスクス…クスクス……アハハっ」

高い笑い声は少しずつ高くなり、ゲタゲタとした獣のような笑いになる。

「いや、いや…やめて」
「貴方が望んだのよ」
「いやあぁーーー！！」

私の叫びは、誰にも聞こえず暗闇に飲まれた。

「夕子、起きなさい！」
「ん…」

瞳を開けると母が心配そうに見てた。

「聞こえたの？！」

ガバッと起きる私を母さんが眉を寄せて見た。

「何が聞こえたの？そんなことより夜子を知らない？」
「え、だって……」

(夜子は、ワタシナノに―――)

気付けば夕子のベットの上だった。

「もう朝なのに、帰ってないのよ」
「そんなっ…」

それじゃ、夕子は………

(やっぱり私が殺したの？)

そんなの信じたくないと首を振っても、あの生々しい感じが手に残っていた。

「知らないの？」
「う、ん…」

そう言うしかなかった。
恐くて、母さんに言えなかった。

「警察に連絡した方がいいのかしら」

心配しているお母さんの声に安心した。

(私達、本当にお母さんに大事にされてるんだ)

同時に泣きたくなった。だって、お母さんから大事な夕子を奪ったかもしれない。

私の大事な半身を―――

この自分の手で―――