一章・ホシゾラ

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宇宙は黒い。 地球は青い。 この仕事は、それを視覚で実感させてくれた。 成層圏の最上層。 例えて、宇宙と地球の境目を飛ぶ棺桶。 高高度迎撃支援戦闘機・ヘクセの狭いコックピットが彼の居場所であり、職場である。 彼、高梁ジュンは航空自衛軍飛行中尉。 現在の所属は第三成層圏迎撃飛行戦隊という長ったらしい名前の部隊だった。 もともとは大陸間弾道弾やらを成層圏で迎撃するために設立された部隊の一つだが、二十年前の“大嵐”以来、廃棄された軍事衛星から誤発射されてくる対地ミサイルやら、落下してくるイカレた人工衛星やらの対処が主任務になっている。
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