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そう、それは我が校の伝説。
或いは、ただの穂村先生の趣味と言われるもの……
【夢咲中ベストパーティ】
毎年夏休みに入る前に、二年生の中から優秀な生徒を選抜、称号と記念品が贈られる、らしい。
……とは言っても、内申書や成績が良くなる訳じゃない。なんたって穂村先生が独断と偏見で決めてるだけだもん。
ただし、穂村先生から称号を授与された人は、全員もれなく何かの道で成功しているらしい(未確認)から、選ばれるのは光栄なのも間違いない。
そしてここはしつこい様ですが夢咲市立夢咲中学校。みんなこういうのは大好きだ。
『小学生でも笑う様な変わり者の先生の趣味に付き合わされるなんてくだらねー!』
なんて冷静なマジレッサーはいない。
確信を持って言えるわ。良いのか悪いのかは置いといて。
「今年は豊作でなぁ。
選考が難航して先公達も苦労したんだが」
うん、さすが先生。面白くない。
「え~私が勇者?主人公?
でも、野球部の饗場くんとか、剣道部の向井くんとかいるのに?私ぃただの漫研ですけどっ?」
珍しくちょっと照れてひかりが言う。
「今年はお前が一番勇者っぽいだろ。女にしとくのがもったいない」
「よかったねひかり!」
「でもなんか女勇者って、ひどいはずかしめを受けそう」
「アホか!」
「おい早瀬、お前にもあるんだが」
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