僧侶戦士と悪のドラゴン

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【人は夜を恐れ、闇を恐れる。 昼間なら平気で歩ける道が闇夜だと怖いのはなぜか。 それは、見えないそこに何かが潜んでいたらどうしよう?と、考えてしまうからだ。 人の『意』には力がある。 一人一人個人差はあるが、例えば微弱でも同じ暗闇を恐れる『意』が、何百何千何万と集まったなら。 そこには、人々の『恐れ』が形を成す。 本来あるはずのないものが実体を持つ。 電気を始め現代では当たり前の便利な物の多くがまだなかった昔、人は自然と共に生き、讃え、そして恐れた。 人の恐れはあらゆるものに『意』の力を与え、怪しい地上の闇に、そして妖しい人の心の闇に。 怪しい姿と、妖しい力を持つものどもが、ひっそりと産まれ落ちた。 この闇に産まれた化身を指して『妖怪』と呼ぶ。 決してその全てが悪い物とは限らないが、人は自らの『恐れ』の化身をまた恐れた。】
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