250人が本棚に入れています
本棚に追加
確かに今は7月。エアコンが無いこの部屋は暑いに決まっている。
しかしだ。
「ほのか!その格好何とかならない?
Tシャツと短パンぐらいは着て、カーテンも閉めるべきだ、はしたない」
毎日言っている。今日も言ってしまった。
「だって暑いんだもん!
覗きなんてされてないよ~。私みたいなへちゃむくれ見てどうするの?
ライムを見てるなら分かるけど」
困ったものだ。何処の誰がへちゃむくれだと言うのだ。
私……ライムと不破ほのかは、全てのサイズが同じ。
身長167、上から88・57・82というのは、タレントが見栄を張って公表するレベルの数字だろう。
私だって人としての外見はおそらく悪くない自信がある。私が覗かれるに価するなら、当然ほのかもそうだ。
だいたいだな、たまたま街を歩いていて撮られた写真がきっかけで、ほのかは雑誌のモデルとして好評を得ているではないか。
断っているがテレビ出演の依頼もあるのだ。
カリスマとか呼ばれる程でないにしろ、綺麗だと認められたと言える女性がだ、自分の部屋とはいえ窓もカーテンも開けっ放しで。
更に下着だけで。
下着だけで、だぞ?
胡坐なんかかいてテレビを観ていて良いものか。
並みの男なら変な気持ちになっても仕方ない、かもしれないではないか。
自分が美人だという事を鼻にかけるのも困るが、全く分かっていないのもまた困りものだ。
「ライムみたいに年中ジーンズとTシャツでいるなんて無理だよお。ふにゃあ~」
「私は暑くても寒くても関係ないから。
とにかく、そんな格好でいてはいけない」
「わかったわライムお母さん。じゃあこれを……」
最初のコメントを投稿しよう!