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私達が住む『夢咲市』の人なら誰でも知ってる妖怪、バク。漢字で書くと『罵喰』。
大昔、ここは妖怪が群雄割拠する街だった、らしい。その中でも大妖怪と言い伝えられているのがバク。
観光土産のバクまんじゅうなんて物もあるくらい。
だから何か不思議な事が起きると、妖怪のせいだよ!とか言ってすぐバクのせいにされる。これはいつか流行る予感がしている。
そんなバクさん、現在は、夜な夜な善良な市民を脅かしているのでは?と疑われているのです。
「この怪獣が深夜に携帯を触りながら歩いてると出て来るの?」
「そう!携帯が突然フリーズして慌ててると……
『それはバグだね』って言いながら後ろにいるの!恐いよねっ」
いやその……恐いけどさあ……
伝説の大妖怪がなんでダジャレで登場するのよ?しかもバグなんてハイカラな言葉で。
どうせ濡れ衣を着せるなら、もう少し本人(本人?)も納得する様な恐いシチュエーションを考えてあげたらいいのに。
「だって見た人がみんなそう言うんだもんっ」
「見た人?」
「『ああ、アレは本当だぜ!
こないだの夜コンビニ行く時にさあ、ケータイ見てたらさあ、いきなり画面真っ暗になってさあ』」
……その話し方はB組の大野君?
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