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「由鳥っ!」
ぼんやり考えていると前にいたひかりが不意に振り向く。そして誰かの声がするより一瞬早く私に向かってジャンプした!えっ?
ボンッ!
次の瞬間、私の耳元でサッカーボールが蹴り落とされた!
「きゃっ!?」
私は全然飛んで来るのに気づかなかったそれを、振り向きざまに私の頭まで届く飛び蹴りで撃墜?
いろんな意味でびっくりする私。
忍者みたいに片膝を着いて着地するひかりに拍手と歓声が上がる。
「ごめ~ん!大丈夫か!?
あとお前、体操部にでも入れよもったいない!」
声援に応えてくるくるっと華麗な側転からのバク転バク宙を見せ付けると、再び湧き上がる歓声。
「アンコール!アンコール!」
「よっしゃ!」
「スカートなんだからやめなさいって!
でもありがとうっ」
みんなに手を振るひかりを捕まえて校庭の隅にある百葉箱へ向かう。
ほんと、体操部にでも入ればいいのに。
「ほむっち先生~!いいものって何~?」
「おう、来たかピカチュ……いや、ひかり」
もう使われていない百葉箱付近が、穂村先生の『いつもの場所』。
先生は部活の顧問じゃないけど、ここの芝生に座ってみんなを見てるのが好きなんだって。
ところで今、ピカチュ〇って言いかけたよね!?
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