489人が本棚に入れています
本棚に追加
私は、いい加減な女なのだ。
すると、美鶴が仕方なさそうに口を開いた。
「まぁ、しばらくは私の家に泊めてあげるよ…。私、お母さんと二人暮らしだし、部屋が一つ余ってるしね!」
美鶴がそう言って、ジュリーに笑いかけた。
美鶴は、物心がついた時には、すでに母親と二人きりだった。
美鶴の父親は、彼女が産まれて間もない頃に、出て行ってしまったらしい…。
だから、美鶴はこの年で肝が座ってるのだ。
肝が座ってるのには、それなりに訳があるんだけど…。
まぁ、その事は後で説明する事にしよう。
私達は、しばらくファミレスで過ごした後、近くの雑貨屋に寄った。
そして、私達はそれぞれに雑貨を眺めながら、店内をうろついていた。
「あ!ねぇ、ちょっとこっち来て!」
すると突然、かん高い声をあげながら、美鶴が私達を手招きしてきた。
私達は、仕方なく美鶴のもとへ駆け寄った。
「これ、おそろいで買わない?」
そう言って美鶴が、可愛らしいピンキーリングを指差した。
私は、ピンキーリングを一つ手に取って、小指にはめてみた。
『可愛いね!…おそろいで買っちゃおうか!』
私も、美鶴に続いてそう言うと、流されやすい茜は、すぐに賛成した。
そして、ジュリーはというと…。
「どうでも良いから、早く帰ろうよ…。眠い…。」
ジュリーは、常に眠気に襲われている。
時々、こうして話てる時ですら、彼女が起きてるのか分からなくなってしまう時がある…。
ジュリーは、本当にとらえ所のない女なのだ。
そして、それから私達は、ピンキーリングを買って家に帰った。
でも、私達はまだ気付かなかった。
この日を境に、私達の運命がガラリと変わってしまう事を…。
最初のコメントを投稿しよう!