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そんな山元に、なんて‥‥冗談としか思えないってば。
山元はそんな冗談言うような奴じゃないってのは分かってる。
確かに意地悪だけど、そういう面に関しては誠実な人間だ。
だけど、‥‥そんな人が、私なんかのどこに惚れるって言うの?
無意識に溜め息を吐く。
山元が開始の合図を出して、タイマーに移動した。
先輩方は、今修学旅行だ。確か‥‥沖縄だっけ?
一年だけで部活なので、とりあえず仮部長として山元が指名された。
まぁリーダーシップがあるからぴったりだと思うけど。
「柳。七分測って」
「了解」
‥‥私が山元の気持ちが今でも信じ切れない原因は、ここにもある。
告白する前と後とで、山元の態度が変わらないのだ。
普通だったら、ちょっとは緊張するとか気まずい思いしてもいいと思う。
私、最初は告白断ろうてした訳だしね。
これじゃあ逆に私が山元にフラれたみたいだ。
山元はいつも通り、私を弄って笑って殴って‥‥ホントに好きな女子に取る態度なんですか?これ。
現状は多分、山元の片思いなんだけどそれは真実なのかとちょっと考え込んでしまった。
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