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黙ってティッシュを差し出すと、柳は「ありがと」と言いながら受け取り、鼻をかんだ。
柳は、可愛くない訳ではない。
黒くて細い、背中の半ばまである髪を二つに束ねている。
今は泣き腫らして細目だが普段は大きく、睫毛も長い。
肌は白く、身長は小柄な方で細い肩が震えていた。
カーディガンの裾から覗く指は長く繊細で、強く握ると折れそうだ。
性格は、明るくノリが良く、猫に似たマイペースなB型気質。
感情の変化がハッキリしてて、単純で天然、漫才だったらぼけタイプだな。
お節介が大好きなおばさんくさいお人好しで。
‥‥客観的に見れば、そこまで悪い条件がある奴でも無いんだが。
たまに純情ぶって赤くなり、彼氏に変な理想を持つ変態っぽい部分や、
突然奇声を発したりニヤけて走り出したりと。
‥‥そういうとこが男を遠ざけてると何故気付かないのか。
鼻水やら涙やらが混ざった本物のグチャグチャ泣き顔で、柳はポツリと言った。
「はぅ‥‥どっかに優しさと幸せと愛情をくれる王子様が転がって無いかな‥‥」
‥‥誰かこいつの病んだ脳味噌を助けてやってくれ。
むしろ俺を助けてくれ!!
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