告白

7/8
前へ
/631ページ
次へ
ガタン!!と音を立てて立ち上がり、机の横のバッグを取る。 金魚みたいに真っ赤になって口をパクパク開閉してた柳は、 その音に我に帰ったのだろう、目を見開き俺に向いた。 だけど、それをシカトしてドアの方に歩いてく。 ‥‥どうせ言われる言葉なんて分かりきってるし。 だけど背後でガツンとかたどたどしい足音が聞えて振り返ると、 柳が机に足を引っ掛けて転んでいた。 椅子も倒れてるから確実に転んだんだろうな‥‥。 何も言えなくて困っていると、柳は起き上がり本気で泣いていた。 制服は埃だらけ、スカートは皺だらけ、Yシャツは涙の染みだらけ。 ‥‥俺も大概女の趣味悪くなったな、とか一人心の中で頷いてると、 柳は俺の制服の裾を掴み、恐る恐る視線を合わせた。 「わ、私、あのっ、先輩がっ、いやあの振られたんだけどあのっ」 「却下」 「‥‥はい?」 「だから却下。俺にしとけって言ってるだろ」 やっぱり断りの返事を持ち出す柳の言葉を途中で遮る。 困ったようにほろほろと涙を流す柳に、胸が締め付けられる気がして、眉をひそめる。
/631ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1452人が本棚に入れています
本棚に追加