天辺へ…

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 山道は整備されてはいないが、獣道なのか少し歩きやすい道だった。  十分ほど歩くと、天美はふと立ち止まった。 「ここ、山頂への抜け道…」  そう言って天美は茂みの方を指差した。 「けど、ここはとても道に見えないぞ!」  確かに、木や草花に覆われていて、いくら体の小さい子供でも通り抜けるのは困難だ。 「大丈夫…」  しかし、天美は正平の腕を引いて茂みへ飛び込んで行った。    そのとき、正平は茂みの中を進んでいる感覚が全くしなかった。  ただ、不思議な感覚だけが頭と体を通って行った。
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