天辺へ…

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 そんな不思議な感覚のなかを走り、数分もしないうちに木に覆われた広い野原に出た。 「ここは……」 「山頂よ!」 「けど、あれだけ高い山だったのに……」 「さっき言ったでしょ? 抜け道だって…」  天美は少しの間を置いて再び話し始めた。 「そんなことより見て、上を…」 「上………?」  正平はそう言って山頂部を見上げた。 「あ、あれは………!!」  正平の目線の先には、大きな蜜柑の木があった。 「あんなに大きな蜜柑の木があったんだ……」 「凄いでしょ!」 「うん、すごい……」  そう話しながら二人は蜜柑の木へと近づいて行った。
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