村へ…

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 ある日、その村に一台のトラックがやってきた。 「オイ、着いたぞ」 「う、うん……あ~よく寝た。おはよう、お父さん」  どこからともなく聞こえた声に、少年は目を覚ました。 「起きたか? なら、外を見てみろ」 「う、うん……」  まだ閉じようとする目を擦りながら、少年はトラックの寝床から顔を出した。そして、外の風景を眺め唖然とした。 「うわー……凄い……!!」  そこには、生き生きとした大自然が一面に広がる山の梺の村があった。 「綺麗な自然の村だろ。東京では絶対に出逢えない景色だ」 「うん!すごいよ!!」  彼ら一家は、少年が生まれる前から東京の真ん中で暮らしていた。  しかし、父親の転勤もあり、山の梺の村に引っ越してきたのだった。 「こんなの初めてでしょ」  お母さんが横から顔を出した。 「うん!!初めて!!」  トラックから降り、少年は深呼吸をした。 「空気がウマいだろ?」 「東京とは全く違うね!」  image=45666592.jpg
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