異変

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「う~~っ、寒いッ!」 12月中頃、 総合体育館弓道場前。 俺と哲哉はもちろん、朝練組は既に到着。 開場するまで凍えて待機している所だ。 今日は練習試合。 しかも相手は全国大会に出場した事のある強豪校、城征。 「勝てますかねえ…先輩」 由紀が手に吐息をかけながら不安そうに尋ねる。 「やるからには勝たないとな!」 正直、言葉は威勢がよかったものの自信があるとは言えない。 たかが練習試合…それでも勝ちたい。 鼓動が逸る…落ち着けよ、俺。 「おはようございます!!」 「おはようございます!」 驚く程大きな声で、あいさつをされた。 声の主は…やはり強豪校だった。 なんだか清々しい。皆瞳を見て挨拶をしている。 「…勝負だけじゃなくて、一つ一つの行動、態度…学べる所は全部モノにしよう」 それが、全員集合時に発せられた…部長からの言葉だった。
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