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「お前らさぁ、そんな夢みたいな事言ってるけど…無理じゃん!」
俊が半ば怒った口調で言う。
俺はしばらく間を空けてから答えた。
「無理かもしれない」
俺が後ろ向きな発言をしたのが予想外だったようで、部員が一斉にこちらを見た。
「…でも、行けるかもしれない」
哲哉は真っ直ぐ一点を見ていた。
遥か上を。
「全国に行った人達だって皆が経験者な訳じゃない。」
「スタートラインは…大差ないだろ?」
「なら…俺たちだって行けない事はないんだ」
途切れ途切れに紡いだ言葉を、俺はなんとか言い終える。
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