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「…俺はお前らの仲間になったつもりはない…」
青年は顔を背けると闇夜に沈むロンドンの街へ降りていった。
「へん!生意気なやつ…」
その時、耳に微かに少女の叫び声が聞こえた。
「なぁんだ…ちゃんとお仕事してるじゃないか」
悪魔はニヤリと笑みを浮かべると時計台から姿を消した。
ーパタパタッ
「おぃ!あっちに行ったぞ!」
「はやく追えっ」
ロンドンの街を数人の男達が駆けている中、
前方には長いブロンドの髪をなびかせながら一人の少女が必死に走っていた。
「はぁ…はぁ…」
「ちっ!待て!」
男達も必死になって追いかけるが、少女は狭い路地を右へ左へと曲がるため中々追いつけないでいた。
「おいっ、お前はそっちを回れ!」
「!、分かった!」
少女は前方に男がいた為慌てて左を曲がった。
「へへ…この先は行き止まりだ」
その言葉通り、少女は壁に危うく激突しそうになった。
「きゃ!…っ!行き止まり?!」
コツコツと、後ろから数人の足音が響いてきた。
「へ!残念だったな…お遊びもここまでだぜ」
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