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電柱は小さく揺れ、僅かに砕けたコンクリートがパラパラとこぼれ落ちた。灰色のそれは、影山の拳の血で所々赤く染まっている。
「…………ッ!!」
拳が痛くなっただけで、何一つ気分は晴れなかった。影山は、電柱に唾を吐きかけ、今度は軽く蹴りつける。
少し、気分が良くなった。
残りのストレス解消は家でやろう。
「ん?」
そう思い、電柱に背を向けたその瞬間、白い何かが目に入った。何か落としたかな? と、辺りを見回してみる。
「な!? ……これは?」
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