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影山は気づいた。
自分の周りに、大量の白い砂がぶちまけられていることに。
驚く影山の前で、白い砂は動き出す。
まるで、生き物のように、蟻よりも小さな虫のように、白い砂は動き、一ヶ所に集まった。
一つの塊となった白い砂は、ゆっくりと盛り上がり、人間の上半身のような形を作る。
「な、何だこれ!?」
「お前の望みを言え……」
「…………何だって?」
驚き、腰を抜かした影山に、砂の山はこう言った。「望みを言え」。影山は頭を落ち着かせ、砂の山が言った言葉を、頭の中で何度も繰り返す。
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