第二話

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  男の肩とすねが、両腕が変化した時のように色を変え、もこもこと膨れ上がった。変化を終わらせたそれらは、鉄色の箱となって、鎧のように男の体に装着される。   「これは……」   箱の蓋が開き、その中から大量のミサイルが顔を出した。その全てがそこから撃ち出されたら、生身の矢車には避けることも、耐えることもできない。そしてなにより、この争いに関係のない町の人たちが、大変なことになってしまう。   「まずいな」 「渡す気になったか?」   矢車は、ベルトを外して見せた。   「ああ、わかった。ベルトは渡そう」  
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