第二話

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  だから擬態で得た知識や能力、もとより持っているクロックアップなども、ほとんどのワームは有効に使えていない。   つまり、ワームはあまり頭が良くないのだ。なので、騙しやすい。簡単に騙されてくれる。矢車はそう考えたのだが、甘かったようだ。   「速くしろ」 「…… あぁ」   男に急かされ、矢車は再度舌打ちをする。振り子のようにゆっくりと腕を揺らし、軽くベルトを放り投げる、ように見せかけた。   「せいッ!!」 「何!?」   ベルトは思い切り投げつけられる。  
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