第二話

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  それは、ブーメランのように回転しながら、男の顔面へと飛んだ。 男はそれを片手で受け止めるが、その、ベルトを掴んだ自らの手によって、視界が封じられてしまう。   男の視界が蘇るより先に、矢車は男の懐に飛び込んだ。そして、男の胸に手のひらを押し当てる。   「はッ!!」   そのまま手のひらに力を込め、男を突き飛ばした。男の体は僅かに浮き上がり、その力に押されるまま後方に向かう。 矢車は体を回転させながら、男の顎に追撃の蹴りを放った。男の手からベルトが投げ出される。   投げ出されたベルトは矢車の腰に巻かれ、バックル部分はゼクターを受け入れられる形となった。  
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