プロローグ

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  矢車は立ち止まり、振り返る。 言葉は通じるらしいが、いったい用件はなんだろう?   「お前の持っている、ゼクターとベルトを渡して貰おう」 「…………はい?」   男は変わらない表情のまま、そう言った。 矢車は、一瞬、男の言葉の意味が理解できず、間抜けな声を出してしまう。   「断るのなら……」   男は両腕を矢車に向けて伸ばした。 伸びた腕の先が鉄色に染まり、よくこねられた粘土のようにぐにゃぐにゃと形を変えていく。   「殺してでも奪い取る!」  
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